ドライキャットフードと飲用水
一般的に猫ちゃんがあまり水を飲まないことは有名ですが、実は猫ちゃんの身体は約70~80%の水分で占められています。
つまり猫ちゃんにも人間同様、十分な水分が必要なのです。
しかしドライキャットフードに含まれる水分は10%以下と少なく、猫ちゃんに飲み水を用意しても、飲んでくれないことが多々あります。
また、水分が不足すると脱水症状や泌尿器系の病気になる可能性が高まります。
ここでは猫ちゃんに与える水分の種類と特徴、注意点や与え方などをご案内します。
水分の種類と特徴
水道水
一番身近な水です。日本は水道局の水質管理がしっかりしている為、安全です。
嗅覚の鋭い猫ちゃんにとっては、消毒のために使用している塩素による、カルキ臭を好まないことがあります。
塩素により雑菌が繁殖しにくいです。
浄水器の水
水道水をろ過した水です。水道水のカルキ臭に含まれる発ガン性物質の「トリハロメタン」を除去するために、家庭で利用している方もいます。
※水道水に含まれるトリハロメタンは常に水質基準値(0.1mg/L)以下なので、危険はないとされています。
マグネシウムやカルシウムなどのミネラルも除去するため、猫ちゃんが必要以上にミネラルを摂取することがありません。
最近では蛇口に取り付けるタイプの他に、犬猫用のポット型浄水器もあります。
塩素を除去する為、雑菌が繁殖しやすいです。こまめに水を取り換えて下さい。
ミネラルウォーター
ペットボトル容器に入っている、飲料水のうち地下水や湧水を原水とした水です。
水道水と違い加熱、紫外線やオゾンで殺菌している為、カルキ臭がありません。
ミネラルが含まれていますが、商品により含有量が異なり、ミネラルの少ない軟水であれば猫ちゃんにも問題はありません。
ペット用水素水
カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなどのミネラルを含まない水です。
ミネラルはドライキャットフードに必要な量が含まれていますので、水素水でミネラルが不足することはありません。
水の注意点
水の『硬度』を確認しましょう。
水には2種類あります。
水に含まれるカルシウム塩とマグネシウム塩の量の指標(硬度)が一定水準より少ない場合「軟水」、多い場合「硬水」となります。
ミネラルを過剰に摂取すると尿路結石のリスクが高まる為、ミネラルが多く含まれている硬水は、与えないでください。
水は常に新鮮な物を与えて下さい。
飲み水に埃や塵などのゴミは衛生上良くありません。特に人間の髪の毛は要注意です。
猫ちゃんの食道は人間と違い伸びたり縮んだりするため、髪の毛のように細長い物はなかなか胃まで到達できません。
その結果、毛玉のように排出することができず、開腹手術が必要となります。
水の飲み過ぎは病気の可能性があります。
元々水をあまり飲まない猫ちゃんが、頻繁に水を飲むのは腎機能の低下や糖尿病などの病気のサインの可能性があります。
年齢や体重などの個体差があるため、一度一日に摂取している水分の量を計量カップなどで確認し、獣医さんに相談すると良いです。
水の与え方
基本的には餌入れの横に水入れを置きますが、それでは飲まない猫ちゃんがいます。
それは猫ちゃんにも水へのこだわりがあるからです。
におい
猫ちゃんによっては水道水のカルキ臭が嫌で飲まない子もいます。
その場合は、一度沸騰させて冷ますことで臭いを消せます。
置き場所
一般的には餌入れの横に置くことが多いですが、場所を変えるだけで飲む場合もあります。
また、2~3箇所に水を配置するなど飲む場所を増やすのも良いです。
量
猫ちゃんは舌で掬うように水を飲む為、底の深い皿に数センチ程度では飲みにくい場合があります。
また、水の量が少ないと猫ちゃんが飲みたい時に無くなっていることがあります。
一日中家に人がいない場合などは、水を多く入れておくと良いです。
容器
水入れの底が浅い・深いにより、猫ちゃんにとって飲みやすさが異なります。
最近ではスタンド型で床に直接置かないタイプの容器もあり、水入れを動かして溢す猫ちゃんにオススメです。
そして、容器は常に清潔にしましょう。
水入れは中の水だけを取り換えがちですが、ぬめりがでてくることもあるので洗いましょう。
ドライキャットフードを水でふやかす
水単体では飲まない猫ちゃんも、餌に含まれていれば水分も一緒に摂れます。
流水
猫ちゃんの中には、流れている水が好きな子がいます。
ペット用自動給水器を利用すると、常に清潔な流れる水を与えることができます。
まとめ
残念ながら私達人間は猫ちゃんと話すことはできません。
その為、猫ちゃんの不満や異常は一番近くで観察できる飼い主さんしか気付けません。
食事や水分は、猫ちゃんが生きていく上で最も重要なことです。
様々な方法を試し、猫ちゃんのストレスを少しでも軽減してあげましょう。