ドライキャットフードの選び方

ドライキャットフードは与える猫ちゃんの年齢や、価格も様々な為悩むことが多いです。
「値段が高いのと安いのは何が違うのか?」
「選ぶ時は何を確認すればいいのか?」
ここでは、そんなドライキャットフードを選ぶ時のポイントをご案内します。

ドライキャットフードに含まれる重要な栄養素

猫ちゃんに必要な栄養素の中でも、重要な五大栄養素を紹介します。

  1. タンパク質

    主にアミノ酸から構成されています。猫ちゃんは自身の体内でアミノ酸を生成できないため、食事で摂取することが不可欠です。

  2. 脂質

    カロリー(代謝エネルギー)を左右する成分です。脂質が多ければ高カロリーに、少なければ低カロリーとなります。

  3. ビタミン

    必要なビタミンは約14種類あります。その中でも特に重要な2つのビタミンは

    1. ビタミンA(レチノール)

      動物性食品に多く含まれています。 ビタミンAは、人間ならばβ-カロテンを変換させることで補えますが、猫ちゃんはそれができません。皮膚や粘膜を丈夫に保ち、感染予防の効果があります。

    2. ビタミンB12(シアノコバラミン)

      魚類や動物性食品の肝に含まれています。 代謝に関与し、ヘモグロビンやアミノ酸の生成を促進する効果があります。

  4. タウリン(アミノエチルスルホン酸)

    代謝に関与します。
    猫ちゃんはタウリンを合成する酵素を持っていない為、欠乏すると拡張型心筋症が生じます。

  5. ミネラル(無機質)

    骨や歯を丈夫に保ち、血管の機能を保ちます。
    ドライキャットフードに含まれるミネラルは、鉄やカルシウム、マグネシウムなど約12種類あります。

年齢別、五大栄養素のAAFCO猫用飼料栄養基準

栄養素にはAAFCO(全米飼料検査官協会)が定めている基準値があります。
パッケージに「complete and balanced」(「栄養価が完璧でバランスがとれている」の意)と書かれているものはAAFCOの基準を満たしているものです。

子猫(約生後1ヶ月~12ヶ月くらい)と妊娠中の猫ちゃん

子猫はこれから身体を大きくしたり、臓器を発達させる大切な成長期です。
妊娠中の猫ちゃんも、お腹の猫ちゃんを育てるために成猫よりも、高カロリーで栄養素の豊富なものが望ましいです。

  • タンパク質=30.0%以上
  • 脂質=9.0%以上
  • ビタミンA=9000.0(IU/kg)以上750000.0未満(IU/kg)
  • ビタミンB12=0.02(IU/kg)
  • タウリン=0.10(IU/kg)
  • カルシウム=1.0%
  • リン=0.8%
  • マグネシウム=0.08%

成猫(約1歳~10歳くらい)と老猫(約10~18歳くらい)

成猫になると身体の成長が止まり、老猫になると運動量が減っていくのに対して、食事量が増える傾向にあります。
栄養素が豊富で低カロリーなものや、毛玉の形成を整える食物繊維が豊富な「毛玉ケア」、特別に調整された食事療法食である減量サポートも良いです。
減量サポートは肥満傾向にある猫ちゃんの場合に与えて下さい。また、満腹感サポートと合わせて与えることで猫ちゃんに満腹感を感じさせることができます。

  • タンパク質=26.0%以上
  • 脂質=9.0%以上
  • ビタミンA=5000.0(IU/kg)以上750000.0未満(IU/kg)
  • ビタミンB12=0.02(IU/kg)
  • タウリン=0.10(IU/kg)
  • カルシウム=0.6%
  • リン=0.5%
  • マグネシウム=0.04%

ドライキャットフードの価格の差

価格の差はメーカーによって生産量が異なる点もありますが、それ以外に原材料の違いがあります。

穀類...トウモロコシ・小麦粉・コーングルテンミールなど

  • 安価なキャットフード

    穀類は猫ちゃんにとっては栄養になりません。
    販売している物の中には、かさ増しの為に入っています。肉食の猫ちゃんは、摂取し過ぎると病気になる可能性もあります。

  • 高価なキャットフード

    高価なキャットフードの中には『プレミアム』と呼ばれる物もあり、品質を重視しています。穀物が入っていない『グレインフリー』などがあります。

肉類...鶏肉・家禽(かきん)副産物・チキンミール・チキンパウダー・ミートミールなど

  • 安価なキャットフード

    肉類に記載されている中に、「~ミール」と書かれた物は肉以外の家畜動物の糞・尿・とさか・くちばし・羽・足・腫瘍部分なども含まれています。
    また、死んでから時間が経っている物、菌で汚染された物なども含まれている可能性があります。

  • 高価なキャットフード

    牛肉や鶏肉など、普段人間が食べている部位などが使われています。

人工添加物

  • 安価なキャットフード

    穀添加物は防腐剤・保存料・栄養素の補充として含まれています。しかし、エトキシキン・BHA(ブチルヒドロキシアニソール)・BHT(ブチルヒドロキシトルエン)には要注意です。
    これらの三種類は農薬や殺虫剤、ガソリンの酸化防止剤に使われていますが、発癌性が認められている為、現在では一部の商品を除いて使用が禁止されています。

    エトキシキンは日本国内での認可はされていませんが、ラベルへの記載義務が無いので、「エトキシキンは使用していません」などの表示の有無で判断します。

  • 高価なキャットフード

    人工添加物・人工保存料・着色料を使用していない物が多いです。

まとめ

ドライキャットフードを購入する時に確認するポイントは3つです。

  1. 猫ちゃんの年齢に合っているか。
  2. 栄養素のタンパク質・脂質・ビタミン・タウリン・ミネラルは基準値を超えているか。
  3. 原材料に危険な物は入っていないか。

上記内容を大切な猫ちゃんの食生活の参考にして、健康を保ちましょう。